元記事(英語) BY JOSEPH FURNESS
1750年に哲学者のJean-Jacques Roussea(ジャン=ジャック・ルソー)は「お金で幸せは買えない」という考えを打ち出したが、これは言うまでもなくスニーカーがまだ発明されていなかった頃の話だ。現代において、スニーカーは多くの人にとっての喜びの源である。スニーカーのリセール市場を覗いてみると、人気モデルは常に破格のプレミア価格で取り引きされており、コレクターたちが熱狂していることがわかる。
今回の記事ではプレミアムスニーカーやストリートウェア、ライフスタイルグッズの売買を手がけるStadium Goods(スタジアム・グッズ)のスタッフたちに世界で最もレアなスニーカーを教えてもらった。逃した限定モデルもFARFETCHなら見つかるかも。
世界で最もレアなスニーカー9選
メゾンのクラフツマンシップが光る《Dior x Air Jordan 1 High》の OG Grey
「歴史上最もビッグなスニーカーコラボレーションのひとつである《 Dior x Air Jordan 1》は、多くの人が2020年代の究極の逸品だと考えています。誰もが一足は欲しがっていますが、実際に手に入れることができたのはほんの一握りです」ー Zack Schlemmer (Stadium Goodsのコンテンツ・マネージャー)
Dior(ディオール)のメンズウェアデザイナーであり、トレンドの仕掛け人でもあるKim Jones(キム・ジョーンズ)が2020年プレフォールコレクションのためにクラシックな《Jordan 1 High》のシルエットにパリのクラフツマンシップを加えて再構築した。ホワイトとペールグレーのプレミアムレザーにブランドのアイコンであるモノグラムを組み合わせている。今後、数年に渡ってレアスニーカーリストのトップを独占することは間違いないだろう。
大胆なデザインで物議を醸した《Union x Air Jordan 4》の Guava Ice
「ロサンゼルスを拠点とするブティックUnion(ユニオン)は2020年に《Jordan 1》のシグネチャーであるトールベロとメッシュのトゥボックスを取り除いた《Jordan 4》を発表しました。この大胆なデザインは物議を醸したものの、多くのコレクターの心を掴みました」ー Zack Schlemmer,(Stadium Goodsのコンテンツ・マネージャー)
《Jordan 1》とのコラボレーションが成功した後、ジョーダンブランドとUnionは《Air Jordan》のクラシックなデザインを前衛的にアレンジした新たなコレクションをリリースした。《Union x Air Jordan 4》の中で特に目立っていたのが ”Guava Ice” だ。特徴的なブルー・ピンク・イエローのカラーブロックに、通気性の良いメッシュとバターのように滑らかなスエードのアッパー、そして半透明のウィングを備えている。
宇宙から着想を得た《Mars Yard 2.0》
「NikeはアーティストのTom Sachs(トム・サックス)とタッグを組み、《Mars Yard 2.0》を発表しました。ボックスには ”These shoes are only valid if worn, and worn to death by you. Posers need not apply.” という反消費主義的なメッセージがプリントされています」ー Doris Liu(Stadium GoodsのE-コマース マネージャー)
現代アーティストのTom Sachsによってデザインされた《Mars Yard 2.0》は、名前からも分かる通りNASAや宇宙飛行士、ロケット科学から着想を得ている。2012年リリースのOGモデとの違いは、より都会での着用に適したソールとヴェクトランよりも通気性の良いポリエステルトリコットメッシュのアッパーだ。交換可能なメッシュと、裸足での着用に最適なコルクの2種類のインソールが付いている。
Virgil Ablohの世界観を反映させた《Off-White x Nike Air Jordan 1 High Retro OG》の Chicago
「切望されていた《Off-White x Nike Air Jordan 1 High 》は、クラシックなシルエットに脱構築的なひねりを加えてウェアラブルにアップデートしました」 ー Ashley LaLicata(Stadium GoodsのERP&ロジスティックス担当副社長)
《Off-White x Nike Air Jordan High Retro OG》の 'Chicago' は正真正銘のレアモデルである。NikeとOff-Whiteのコラボプロジェクト《The Ten》の一部としてVirgil Abloh(ヴァージル・アブロー)がデザインし2017年に満を辞してリリースされた。
かかとのロゴがポイント《Air Force 1 High Supreme》の World Famous
「Supreme(シュプリーム)とNikeはこれまでに何度かコラボレーションしてきましたが、最もレア度が高いのは2014年に発売された《Air Force 1 High》。大胆でありながらもクリーンな一足です」ー Zack Schlemmer(Stadium Goodsのコンテンツマネージャー)
Supremeはリセール市場で特に人気の高いブランドの一つだ。Nike x Supremeコレクションの中で最もレアなのは《Air Force 1 High Supreme》の ‘World Famous’ である。スケートボードブランドSupremeのシグネチャーであるレッドを基調とした鮮やかな一足。かかと部分に大きく施されたロゴがポイント。多くのストリートウェアコレクターから支持された。
全面をクリスタルで覆った《Cactus Plant Flea Market x Nike Dunk Low》の Pure Platinum
「2020年にCactus Plant Flea Market(カクタス・プラント・フリーマーケット)はSwarovski(スワロフスキー)の眩いクリスタルを全面に施した《Cactus Plant Flea Market x Nike Dunk Low》の”Pure Platinum” を投下して話題を集めました」 ー Zack Schlemmer(Stadium Goodsのコンテンツマネージャー)
今やNikeの《Dunk》はどのモデルも手放せない存在であるが、Swarovskiのクリスタルで覆われた《Cactus Plant Flea Market x Nike Dunk Low》の ”Pure Platinum” は、究極の一足と言われている。同モデルはPharrell(ファレル)の元アシスタントである Cynthia Lu(シンシア・ルー)率いるカルト的ストリートウェアブランドのCactus Plant Flea MarketとNikeのコラボレーションによるもので、専用のグリーンのダストバッグとお揃いのボックスがついてくる。
2000年代のシルエットが復活!《Joe Freshgoods x New Balance 992》の No Emotions Are Emotions
「Joe Freshgoods(ジョー・フレッシュグッドス)が手がけるシカゴ発ブランドDon’t Be Mad(ドント ビー マッド)とのコラボにより復刻したNew Balance(ニューバランス)の《992》は、2020年のスニーカーの中でも最も人気のあるモデルの一つです。予想通り大きな注目を集めたため、現在は入手困難となっています」ー Zack Schlemmer(Stadium Goodsのコンテンツマネージャー)
New Balanceが再び脚光を浴びているが、最も需要の高いスニーカーの一つは《Joe Freshgoods x New Balance 992》の ‘No Emotions Are Emotions’ だ。シカゴを拠点に活動するクリエイティブなJoe Freshgoodsがデザインした同モデルは、生物学からインスピレーションを得ており、レッド・ピンク・パープルの3色を組み合わせて2000年代のシルエットを復活させた。
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ブラックトゥとブルーの差し色が印象的な《Fragment Design x Air Jordan 1 High》の Blue
「クラシックなNikeの《Air Jordan 1》と Fragment Design(フラグメントデザイン)がタッグを組めば、これまでのスニーカーコラボの中で間違いなく最も重要な一足になります」 ー Ashley Godoy(Stadium Goodsソーホー店のリードキャッシャー)
《Fragment Design x Air Jordan 1 Retro High OG》はTravis Scotts(トラビス・スコット)やUnion、Off-Whiteとのコラボレーションに並ぶレアモデルだ。藤原ヒロシがデザインした同モデルは、人目を引くロイヤルブルーの色味とエンボス加工されたブランドロゴを備えている。
幻のコラボスニーカー《Air Yeezy 2》の Red October
「履くのがもったいないほどレアなシューズといえば、《Air Yeezy 2》の ‘Red October’ がその代表的な例でしょう。発売以来、市場価値は上昇し続けています。つまり、スニーカー好きの夢のような一足なんです」 ー Fresco Wilson (Stadium Goodsのエディトリアルプロデューサー)
Kanye West(カニエ・ウェスト)がAdidas(アディダス)と契約を結ぶ前は、Nikeと《Air Yeezy》を制作していた。《Air Yeezy 2》の ‘Red October’ はビビッドな赤一色で彩られ、異素材を組み合わせたエクスクルーシブな一足だ。幻のコラボレーションから生まれた同モデルは世界中のスニーカーヘッズを熱狂させた。