元記事(英語):JOSEPH FURNESS
この数年、ゴープコアやノームコア、ダッドコアがファッションの主流、つまりコアになっています。そんな中、Arc’teryx(アークテリクス)は実用的でミニマルなアウターウェアの世界にトレンドセッターたちを迎え入れました。2019年に、Frank Ocean(フランク・オーシャン)が、Arc’teryxのビーニーとMammut(マムート)の明るいオレンジのパファージャケットを合わせていたことは良く知られています。そして、2020年にはYe(イェ)がArc’teryxのレッドジャケットを纏い、その数ヵ月前には彼の友人であるVirgil Abloh(ヴァージル・アブロー)が、自身の手がけるOff-White(オフホワイト)の20年秋冬ウィメンズウェアのショーで、Arc’teryxのジャケットを脱構築したスタイルを発表。昨年には、Travis Scott(トラビス・スコット)が、Arc’teryxのドルフィンブルーのジャケットにこのカナダ発ブランドのパウダーブルーのパンツをスタイリングしました。
特にこのようなスターたちがArc’teryx のアイテムが着用したことにより、時代の最先端を行くファッションラバーたちはこのブランドをワードローブに取り入れたくてたまらないのに、その多くが何から手に入れればよいかを分かっていないということを、ファッションインサイダーである私たちは実感するようになりました。さらに、ブランドの歴史についてもほとんど知られていません。今回は、そんなArc’teryxの手に入れるべきアイテムとこれまでの歩みを解説します。
Arc’teryxの歴史
Arc’teryxは1989年、カナダのノースバンクーバーで誕生しました。その前身となるブランドRock Solid(ロック・ソリッド)は、熱心なクライマーでもあった創業者のDavid Lane(デヴィッド・レイン)がクライミングギアを専門とする会社として設立。当時市場に普及していた登山用品に満足していなかったレインは、よりよい製品を生み出すことを目指しました。そして創業から1年後には、財務分野の経験が豊富で登山仲間でもあったJeremy Guard(ジェレミー・ガード)を迎え、2人は始祖鳥を意味する<Archaeopteryx(アーケオプテリクス)>を着想源とするArc’teryxにブランド名を改めたのです。
1990年代には、Arc’teryxは、クライミング用ハーネスから耐水機能を備えたアウターウェアまで全製品に最先端の素材と技術を駆使するブランドとして、その名を馳せるようになりました。なかでも特筆すべきは、後にライセンスを取得することになるW.L. Gore & Associates社のGORE-TEXを用いて、クライミングに最適なジャケットをつくり始めたこと。最初のジャケットラインが発表されたのは、1998年のことでした。
2000年代に入ると、Arc’teryxの大きな飛躍がフランスのスポーツ用品企業のSalomon(サロモン)の目に留まります。そして2001年12月、Arc’teryxはSalomonの傘下に入りました。これにより、ブランドのストアが続々オープンし、世界中の機能的ファッションを愛する人々から支持されるようになりました。今では、何百万人もの人々が実用的なアイテムに富んだArc’teryxのコレクションを愛用しています。
Arc’teryxのフィット感について
Arc’teryx Tシャツのサイズ
スリムフィットのトップスに慣れている方は、Arc’teryxのTシャツを表記サイズどおりのフィットだと思われるでしょう。一方、いつもリラックスフィットのTシャツをお選びになる方は、小さめに感じられるかもしれません。なので、Arc’teryxのTシャツはお好みのフィット感に合わせて通常どおり、もしくはワンサイズアップされることをおすすめします。
Arc’teryx パンツのサイズ
Arc’teryxのパンツはシェイプもサイズも豊富ですが、ボトムスを購入する際には大抵、通常どおりのサイズを選ぶのがおすすめです。バギーなパフォーマンスパンツというのは、あまり格好いいものではありません。
Arc’teryx パファージャケットのサイズ
Arc’teryxのパファージャケットの下に薄手のアイテムを着るなら、通常どおりのサイズが最適です。ただ、厚手のフーディなどをパファージャケットの下に合わせるのがお好きな方は、ワンサイズアップを検討されるのがよいかもしれません。
Arc’teryx ライトウェイトジャケットのサイズ
Arc’teryxの高く評価されているライトウェイトジャケットのラインは、表記サイズどおりのつくりですが、オーバーサイズのレイヤードスタイルがお好きな方は、ワンサイズアップを選ぶ方が心地よく着られるでしょう。
Arc’teryxの2022年版ヒーローアイテム
Arc’teryx Proton LT ジップアップジャケット
このオレンジにもイエローにも見える色を、 Arc’teryxは<Wildchild>と名づけています。このカナダ発のブランドのラインアップの中でも最も鮮やかな色のひとつということを考えると、ぴったりな名前と言えるでしょう。私たちは、この色が通気性のあるArc’teryx Protonジャケットに刺激的なタッチをもたらしてくれるところがお気に入りです。
Arc’teryx Zeta ジップアップ ライトウェイトジャケット
Protonシルエットが好みではないけれど、<Wildchild>カラーを手に入れたい方には、Arc’teryx Zetaジャケットがおすすめです。この軽量アウターは、Protonよりも少しすっきりとしたデザインで、胸元にロゴと共にブランド名が入っています。と言っても、さりげないところに好感が持てますね。
Arc’teryx ジップアップ ライトウェイトジャケット
ノームコアの代表とも言えるのは、ブラックのハーフジップジャケット。ロゴ刺繡入りの実用的なアームポケットが施されたポリエステル製ジャケットは、着てすぐに出かけられるだけでなく、どんなアイテムともマッチします。まさに万能です。
Arc’teryx ウールブレンド ロングスリーブTシャツ
ウールブレンドのロングスリーブTシャツは、Arc’teryx がアバンギャルドの限界に挑戦したと言えるアイテム。洗練されていてシック、そして日常の着こなしのベースにふさわしい一着です。これ以上、他に言うことはありません。
Arc’teryx Atom ロゴエンブロイダリー ジレ
Arc’teryx Atomジレは、いつものスタイルに、ほんの少しのブランドらしさを添えてくれます。耐水性と耐風性を備えるこのブラックのレイヤードアイテムは、投資価値の高い一着です。
Arc’teryx Gamma AR テーパードトラックパンツ
家の中でも外出時にも活躍するお気に入りのパンツになり得るのが、Arc’teryx Gamma AR テーパードトラックパンツ。ジムやショッピングセンターだけでなく、クラブにさえも着て行くことができる一本です。
Arc’teryx Cormac ロゴTシャツ
もう<Wildchild>が出てくることはないだろうと思った方もいるかもしれませんが、ここにも登場します。このシンプルなクルーネックのTシャツは、鮮やかな色合いによって魅力が際立った一着。胸元には、ブランドのロゴ刺繡があしらわれています。