元記事(英語):NERYS D’ESCLERCS
「ブランドコラボレーションの最大の魅力は、コラボレーターによってブランドがそのコンフォートゾーンから押し出すされるのを目の当たりにすることです」。そう話すのは、スニーカーのエキスパートであるショップ、Stadium Goods(スタジアムグッズ)のソーシャル部門ディレクターを務めるMadison Hartman(マディソン・ハートマン)だ。スニーカーコラボレーションは、Travis Scott(トラヴィス・スコット)によるNike(ナイキ)の反転した<スウッシュ>やSacai(サカイ)のダブルシューレースなど、意外性のあるディテールを取り入れた極めて独創的なデザインが特徴。手に入れるには発売に合わせて行動し、しかもどこで買えるかをわかっていなければいけない。今回は、現在ファーフェッチで購入できる、人気アイテムをHartmanが解説する。
A Ma Maniére × 《Air Jordan 3 ‘Raised By Women’》
「2021年に発売された中で一番好きなスニーカーは、断然A Ma Maniére (ア・マ・マニエール)× 《Air Jordan 3》。その背景にあるストーリーから素材まで、完璧な一足だと思います」」とHartmanは明かす。A Ma Maniéreの共同創業者James Whitner(ジェームズ・ウィットナー)は子供の頃、初めての《Air Jordan 3》を母親から与えてもらった。そんな母親へのオマージュとして、ヒールタブの裏には彼女の手書きの格言があしらわれている。「Whitnerの《Air Jordan 3》への洗練されたアプローチは、クラシックなシルエットを女性に焦点を当てたデザインでアップデートしました」とHartmanは説明。「Whitnerのパーソナルなつながりとラグジュアリーなディテールの組み合わせによって生み出されたのは、唯一無二のコラボ。シルクのキルティングやスエードディテールといった上質な素材使いも最高です」
AMBUSH × Nike《Dunk High Deep Royal》
Yoon Ahn(ユン・アン)とVerbal(バーバル)というデザインデュオによって2008年に設立されたAMBUSH(アンブッシュ)は、ジュエリーブランドとしてスタートしたが、今ではレディトゥウェアも提案。着物にインスパイアされたジャケットやパッチワークがあしらわれたスウェットシャツからカルト的人気を誇るライターケースのネックレスまで、熱心なストリートウェアファンたちを虜にするコンテンポラリーで洗練されたアイテム生み出している。そんな東京発のブランドは、Nikeとのコラボレーションでいくつかの《Dunk High》スニーカーを発表してきたが、その最新作となるのが新色の《Deep Royal》だ。
「AMBUSH x Nike《Dunk High》の特徴となるデザインは、ヒールを越えて長く伸びた<スウッシュ>です」とHartman。「スニーカー界に携わる女性の一人として、デザイナーのYoon Ahnがここ数年の《Dunk》のコラボアイテムの中で個人的に最も優れていると感じる一足を手掛けたことほど、嬉しいことはありません。Nikeとの次のコラボ企画でも、AMBUSHが既成概念の枠を超え、さらにユニークなデザインを発表してくれることを期待しています」
Travis Scott × 《Air Jordan 6 Retro British Khaki》
「この5年間で、Travis Scottほどスニーカー界に衝撃を与えたコラボレーターはいません」とHartmanは断言する。アメリカ人ラッパーであるScottは近年、これまでに自身の名前とクリエイティブなエネルギーを込めた数々の素晴らしいコラボレーションを形にしてきた。それはJordan(ジョーダン)やNikeとの誰もが魅了されるプロジェクトから、Reese’s Puffs(リーシーズ・パフス)やMcDonald's(マクドナルド)との意外な取り組みまで多岐に渡り、毎回発売すれば売り切れ必至のスタイルを生み出している。その最新作となるスニーカーは、彼自身のレーベルであるCactus Jack(カクタスジャック)のロゴが、ソールにあしらわれた一足だ。「《Air Jordan 6 Retro British Khaki》は、またしてもCactas Jackの傑作で、マストアイテムになる条件をいくつも満たしています。そして、2021年は《Air Jordan 6》の30周年でもあり、《British Khaki》のニュートラルな色合いはまさにトレンドです」とHartmanは説明する。
Supreme × Nike《SB Dunk Low Stars》
「Supreme(シュプリーム)とNikeのおよそ20年に渡るコラボレーションに対抗できるブランドは、ほぼいないと言えるでしょう」とHartmanは語る。2002年の初の協業で生まれたSupreme × Nike《SB Dunk Low》は、バスケットボールシューズとスケートシューズの特徴的なシルエットを融合させたもの。間違いなく史上最も注目を集めたスニーカーの一つであっただけでなく、これをきっかけに、意外性に富んだ新たなスタイルを生み出す毎年のパートナーシップが始まった。「2003年の《Dunk High》にオマージュを捧げる《Stars》シリーズは、Supreme × Nikeの歴史の一部をファンが手にするチャンスを再び与えてくれました」
Sacai × Nike 《Blazer Low Classic Green》
Sacaiのデザイナー阿部 千登勢は、2015年にNikeLab(ナイキラボ)との初コラボでパフォーマンスウェアのラインを制作した。さらに2019年には、Sacai × Nikeとして初の《Blazer》を発表。ダブルシュータン、ダブルスウッシュ、ダブルシューレースで仕上げられた同モデルは、瞬く間に人気を集めた。2021年の《Blazer Low》でも見られるように、このパートナ―シップでは、レイヤードがシグネチャーデザインになっている。「《Blazer Low》はもともと夏にふさわしいモデルですが、Sacai(サカイ)とのコラボにより、さらに特別感のあるアイテムになっています」とHartman。「Nike × Sacaiのとてもウェアラブルなコレクションの中でも、この一足は気分に合わせて自由にドレスアップしたり、ドレスダウンしたりできますね」
Fragment × Nike《Dunk High Beijing 2021》
<ストリートウェア界のゴッドファーザー>の異名を持つ、Fragment(フラグメント)の創業者である藤原ヒロシはデザイナーやミュージシャンとして活躍し、原宿のストリートスタイルを確立した立役者だ。もともと2010年にリリースされたFragment × Nike《Dunk High Beijing》は、スニーカーのカギを握る世界3都市(他は、ロンドンとニューヨーク)にちなんだアイコニックなカラーで登場した3モデルのうちの一つ。「藤原ヒロシは、スニーカー界で最も愛されるコラボレーターの一人です。彼が手掛けた2010年の《City》シリーズの《Beijing Dunk》がどのようにアップデートされるのか、とても楽しみにしていました」とHartmanは話す。「オリジナルモデルのような左右が異なるアッパーデザインではないですが、Fragmentのシグネチャーであるライトニングボルトは健在です」