スタイリスト仙波レナさんを迎えてお届けするRena’s Talk Vol.4。春夏から秋冬への端境期のこの季節、今買って秋冬も活躍できるモノを探し求めている人も多いのでは?そんな今の時期に手に入れておきたいアイテムをレナさんにヒアリング。注目したモチーフをコレクションルックを見ながら振り返ります。これから活躍できる最旬?挑戦?アイテムを見つけていきましょう。
Interview&Edit : Mio Koumura
揺れる&動く「フリンジ」でファッションの醍醐味を
-2020年春夏コレクションを振り返って、レナさんが気になったモチーフってありましたか?
春夏シーズンも、次の秋冬シーズンにも、フリンジが頻出していて。私は1920年代のフラッパーのようなものも、ウエスタンぽいものも、ジャンル限らず昔からフリンジ好きなんです。2020年春夏のJil Sander(ジルサンダー)の白のフリンジドレスを見て、「これは欲しい!」って思ってその思いが再燃。実は中学生の時に自分でシルバーのチェーンを買って、段々にカットしてフリンジネックレスを作ったこともあるんですよ(笑)。
- DIY!ご自宅にはどんなフリンジアイテムがあるんですか?
数を持っているというよりは、気に入っているものが多いんです。フィービー(Phoebe Philo)時代のCELINE(セリーヌ)のバッグはずっと使っているし、Maison Margiela(メゾン マルジェラ)のレプリカのベストも。アクセサリーもありますね。
写真左から Jil Sander 2020年春夏コレクション、PRADA 2020秋冬コレクション、Bottega Veneta 2020秋冬コレクション
-幅広いですね。フリンジアイテムの魅力は?
フリンジって正直、吊るしだと可愛くはないんです。裾についていたりすると引っかかってしまうこともあって、着るときも若干面倒。でも着て歩くと、その面倒以上に揺れるフリンジの様はやっぱり素敵で気分が上がるんですよね。これって、洋服の醍醐味だと思うんです。着てそれを体感できることが一番の魅力ですね。
-気になったブランドはありましたか?
Jil Sander以外だと、Jacquemus(ジャックムス)やBurberry(バーバリー)も素敵でしたね。リカルド(Riccardo Tisci)が手掛けるBurberryは個人的に好みなんですけど、裾にビジュの付いたフリンジがついているパンツがあって。それがすごく可愛くて、狙っています(笑)!
写真左から 上段 Jacquemus La Robe Cortese ドレス、Bottega Veneta フリンジヘム ショルダーバッグ、下段 Saint Laurent フリンジ ブーツ、burberry フリンジディテール レギンス
初心者はスカートから?強めの「エナメル」に挑戦
- 他に、気になったモチーフはありますか?
エナメル素材かな。なかなか日本に素敵なアイテムが入ってこないから、Farfetchで探し甲斐がありそう。秋冬シーズンのSaint Laurent(サンローラン)がすごく振り切っていて、本当に素敵で。エナメルのアイテムがたくさん出てきたので気になっています。
左から Saint Laurent 2020年秋冬コレクション、MIU MIU 2020年春夏コレクション、BALENCIAGA 2020年秋冬コレクション
- エナメルのアイテムは強い印象があり、取り入れるのが難しい印象です。
そうなんですよね。私も「何で好きなんだっけ?」って思い返したことがあって。昔に遡るんですけど、幼稚園の頃に母が買ってくれたメリージェーンのエナメルの靴が一番最初。表面が光を反射してツルっとしている様が特別感があって大好きだったんです。小学生になるとまた、母がエナメルの生地を使ったナポレオンジャケットを買ってきてくれて。ちょっと丈が短めで、すごく気に入っていて。SMのイメージもあってかエナメルって強くなりがちだけど、私の中では可愛い記憶からはじまってるから気になっちゃうのかもしれないですね。
-そう言われてみるとエナメルの靴に心踊った時代が私にも…(笑)。初心者は何から始めるのが取り入れやすいでしょうか?
私はパンツは取り入れやすいかなって思うんですけど、そこそこ激しいですよね(笑)!?スカートの方が取り入れやすいのかな。今シーズンのMIU MIU(ミュウミュウ)のスカートはとっても可愛かったですよ。お花がペイントされていて。あと、ワンピースも丈感を工夫すればチャレンジしやすいかもしれないですね。私、Maison Margielaのロングワンピースを持っているんですけど、重宝していますよ。
-なるほど!ちなみに、上級者になるとどのようなエナメルアイテムが欲しくなるんでしょうか?
実はOLIVIER THEYSKENS(オリヴィエ ティスケンス)のエナメルコートが気になって試着したんですけど、やっぱり強かったですね。すごくかっこいいんですけど、着こなすのが難しそうだなって思って検討中です(笑)。
写真左から 上段 Dior エナメルミニドレス、Miu Miu フローラル スカート、下段 Saint Laurent スキニー レザーパンツ、Olivier Theyskens ベルテッド トレンチコート
甘すぎない、大きめ肉厚『レース』に注目
-前回のインタビューで、Alexander McQueen(アレキサンダー・マックイーン)のレースが気になるとおっしゃっていましたね。
そうそう。とにかく美しかったですね。英国の伝統的なハンカチやテーブルクロスにインスピレーションを得たレースに温かみを感じました。それに、手仕事で仕上げられたレザーのノットやビジュ使いも交わって、ロマンチックなだけではなくて、フェティッシュさもあって。
-今年らしいレース使いってあるんでしょうか?
私、通念レースのアイテムは好きでよく取り入れるんですが、今年は、繊細で華奢なシャンティレースというよりは、クロシェなどモチーフが比較的大きくて、肉厚なものに目が止まりましたね。
写真左から LOEWE 2020年春夏コレクション、MARNI 2020年春夏コレクション、Alexander McQueen 2020年春夏コレクション
-大きめなモチーフに注目ですね。
LOEWE(ロエベ)2020年春夏コレクションのファーストルックを撮影で使用したんですが、黒と白のレースを使った作りでユニークでした。LOEWEはボックス型だったり、他のレースシリーズも素敵でしたね。あと、変わり種でMARNI(マルニ)はネットのようなレースで、ハンガーに掛かっているとわかりづらいんだけど、ルックではドレスの上から着用していて色やモチーフが華やか。こういう使い方もいいですよね。あと、アーデムだと、アイレットレースが印象的に使用されていました。レースの大きさはもちろん、ロマンティックだけど甘すぎないというのがポイントですね。