brands2021年6月18日金曜日

スニーカー解剖学:<スニーカーの外科医>が Nike Air Force 1 の構造を徹底解説

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WORDS BY STEPHEN YU

ロサンゼルスを拠点に活躍するDominic Ciambrone (ドミニク・シャンブロン)、またの名をThe Shoe Surgeon (ザ・シューサージョン)=「靴の外科医」。元靴修理職人のシューデザイナーであり、世界でも希少なビスポークスニーカーのクリエーターです。

そんな彼が、ファーフェッチとともにスニーカーカスタマイズのチュートリアルビデオを製作。世界にふたつとないスニーカーをつくり上げるために Surgeon Studios チームや彼自身が使っている、貴重なテクニックを伝授してくれました。

 

今回は、The Shoe Surgeon のスクールディレクター、Neil Caro(ニール・カーロ)が、アイコニックな《 Nike Air Force 1 Low(ナイキ エアフォース1 ローカット》を使ったスニーカー分解の基礎について紹介します。

 


「《Nike Air Force 1》は、スポーツをファッションの世界へ持ち込んだともいえる一足。この靴には、世界中のあらゆるスニーカーの重要な基盤となるパーツが含まれています」――ドミニク・シャンブロン、The Shoe Surgeon 

 

 

 

 


基礎知識

 

スニーカーの主要パーツといえばアッパーとソールですが、実はそれぞれに、複数のパーツが複雑に組み合わさってできています。大抵は縫い付けか接着で作られていて、このアッパーとソールを丁寧に外し、型紙を作成して再び組み立てることで、カスタムスニーカーが完成。こうした作業を行うにあたっては、やはりスニーカーの構造を知っていることが重要です。ここで、それぞれのパーツの詳細を見ていきましょう。

 

 

 

 

外側
 

 

  1. シューレース
  2. タン
  3. トゥボックス(バンプ)
  4. トゥキャップ(マッドガード)
  5. ラタラル・クォーター(足外側)
  6. ミディアル・クォーター(足内側)
  7. アウターヒールカウンター(x2)
  8. カラー(足首にフィットさせる目的で、多くはフォーム、もしくは柔らかい素材をクッション材として使用)
  9. アイレットロウ
  10. ヒールタブ
  11. スウッシュ
  12. ヒールカラー(マスタッシュ)

 

 

 

 

ソール

 

 

  1. アウトソール(耐摩耗性のある硬いゴム製)
  2. ミッドソール(快適な履き心地を生み出すクッション性あり)

 

 

 

 

内側

 

 

  1. トウ・パフ(靴の前面を形作る、薄手のTPU素材)
  2. 内側のライニング(継ぎ目を覆い、摩擦を防ぐための柔らかなメッシュ)
  3. カラーフォーム
  4. 内側のヒールカウンター(靴のかかとを守り、支えとなるサーモプラスティック)
  5. インソール(より快適な履き心地を生み出す、柔らかなフォーム)
  6. ストロベルボード(ソールと組み合わせる前に、アッパーを固定させるのに使用)

 

*スニーカーはモデルによって構造も製法も違います。分解前にくれぐれもその点にご留意ください。

 

「3Dプリントされたソールやパーツ、複雑なレザーパーツやファブリックなど、一足のスニーカーをつくるにもいろいろな素材、そして製法があります。そのため、分解する前にその違いについて知っておくことがとても重要。パーツの数や型紙などは一足一足異なり、例えば、Nike Flyknit Presto (ナイキ フライニット プレスト)や adidas NMD (アディダス NMD)は、一体成型のアッパーをプラスティックのリッジで支える構造です。一方で、 Air Jordan 1 (エアジョーダン 1)のアッパーは、およそ23のパーツからできています」

 

 

 

分解前の準備

 

必要なツール:
‐    リッパ-
‐    カッターナイフ
‐    ハサミ
‐    マーカーペン
‐    Nike Air Force 1 Low またはお好きなスニーカー

 

*それぞれのパーツを、ゆがめたり、破ったり、誤って切ったりすることなく残すのはなかなか難しい作業。なるべくカッターは使わず、ステッチや縫い目を切るための専用ツールであるリッパーを使うのがおすすめです。

 

気を付けたい点:
‐    適切なツールを使うこと
‐    ツールの刃先を常に自分とは反対側へ向けること

 

 

 

 

分解作業

 

1.    ソールとストロベルボードを外す

始める前に、シューレースとインソールを外しましょう。

 

1-1.    リッパーを使って、ソールのトップからサイドに施されたステッチを切り、ソールを完全に取り外します。

1-2.    靴をさかさまにして、ストロベルボードとアッパーが縫い合わされた赤いステッチをリッパーを使って切っていきます。間口が十分に広がったら、ハサミを使って残りの糸を切り、ストロベルボードを外すこと。

1-3.    これで、アッパーの分解が始められます。一つずつパーツを丁寧に外していきましょう。

 

 

2.    アッパーを分解する

 

*どの部分がトップレイヤー(オーバーレイヤー)かを見極めたうえで最初に外し、順を追って、その下側のパーツ(アンダーレイヤー)に進んでください。

 

Nike Air Force 1 Low の場合、ヒールカラーがヒールタブとスウッシュにかぶさっているので、これをまず先に外します。

 

2-1.   ヒールカラーに沿って走るステッチを、上部の端からリッパーを使って外していく。

2-2.   ヒールカラーを持ち上げて、リッパーでスウッシュを外した後、ヒールタブを外す。

2-3.   次に、アイレットロウとトゥキャップのステッチを外し、トップレイヤーのパーツをすべて取り外す。

2-4.   ここから、残りの部品を一つひとつ外し、アッパーを完全に分解していく。

 

 

 

型紙の作成

 

 

分解したスニーカーを元に、こだわりの素材や機能性素材、あるいは別の靴のソールを使って、既存の枠にとらわれずに感性のおもむくまま、自分が描く完璧なカスタムスニーカーを作り出していきましょう。

 

*パーツを外したら、混同しないようにマーカーペンでそれぞれの名称を書いておくこと。

 

1) 外側

「それぞれのパーツを画用紙などに写し取って型紙をつくり、それに合わせて素材をカットすれば、まったく新しいカスタムシューズをつくることができます」

 

2) 内側

「靴の内側のカスタマイズをすることは通常ほとんどありませんが、分解した内側のパーツを使ってもちろん型紙がつくれます。この型紙に合わせて新しい素材をカットし、内部も一緒にカスタマイズするのもいいですね」

 

3) 再構築

「スニーカーの再構築は、複雑なプロセス。型紙靴型素材靴づくり用のツールが必要です。私たちが開催している靴づくりのクラスでは、一通りの工程を4日間でお教えしています」

 

The Shoe Surgeon x ファーフェッチのビデオシリーズ。次回は、Surgeon Studios チームがペイントを使ったカスタマイズの方法を紹介してくれます。
 

 

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