WORDS BY Emika Ohta Seger
東京という街の魅力を挙げるときりがない。例えば、便利さと安全さ。ほしい物はほしい時に手に入るし、財布を紛失しても誰かが交番に届けてくれる可能性が高い。世界最先端の大都市であろうとする努力と、懐かしさや温もり、オーセンティックなものへの憧憬が交錯し生み出す折衷的な空気感は、世界のどこと比べてもユニークだ。
ここ数年の大規模な再開発で変化し続ける渋谷にも、細部に目を向ければ昔ながらの情緒を感じさせる要素が残っている。カラオケ店のフロントに置かれた、まるで1970年代からずっとそこにあるかのような電話機。昭和にタイムスリップしたような感覚に浸れる飲み屋や純喫茶。裏路地を歩けば目に入る、色褪せた看板...。
モデル兼写真家として活躍する服部恭平さんが拠点とするのもまた、渋谷だという。 リアルな東京を生きる彼が、ファーフェッチで買ったお気に入りアイテムを着て、思い入れのある渋谷の街でセルフポートレートを撮影してくれた。
服部恭平 (@kyoheihattori)
東京在住フォトグラファー兼モデル
まずは自己紹介からお願いします。
「服部恭平です。20歳の頃に大阪から上京してモデルの仕事を始めました。4年前ぐらい前から並行して写真を撮っていて、そのご縁でDroptokyoのメンバーとしても活動しています」
東京の好きなところはありますか?
「とにかく人が多い。しかもみんな何かを成し遂げたくて東京に集まっているので、人に会うのが面白いです」
服部さんの思う、東京らしいファッションとは?
「東京は人が多いせいで、人にどう見られるかを第一に考えている人が多いイメージがあります。もっと自分らしい感覚を大切にしたほうがいいと思います」
東京という街がご自身のスタイル(服の選び方や着こなし)に与えた影響は?
「東京は街が新しくどんどん変わっていく半面、古き良きが残っている部分もある。そのミックス感がファッションにもでていると思います。周りの目を気にしないで本当に自由にファッションを楽しみたいです」
東京の中でも特に気に入っている場所はありますか?
「昔から変わっていないような普遍的な要素が好きで、代々木公園や渋谷の再開発されていない残っている街並みが好きです」
好きな夜遊びスポットは?
「渋谷に住んでいるということもあり、夜の渋谷の街を歩いていると色んな人がいるので面白いです。ロックバーのグランドファーザーズでよくジントニックを飲みます」
買い物するときはどこに行くことが多いですか?
「ネットで買うことが多いのですが、リアルに試着して買うというのも貴重な体験なので表参道を歩き回って色んなお店に行くことが多いです」
今回の撮影場所について教えていただけますか?
「渋谷は今再開発で毎日のように景観が変わっていきます。その中で変わらないものを愛おしく思ってしまいます。昔ながらの飲み屋や、住宅、電線や自動販売機などがそうで、変わることも大切だけど、変わらないものも同じくらい大切にしたいです」
モデル兼フォトグラファーとして活躍されていますが、それぞれの魅力ややりがいはなんでしょう?
「どちらも一人では成り立たないことなので人間関係が大切だと思います。人とのつながりを感じられるので、とても魅力的な仕事だと思います」
Droptokyoでは撮影する場所やモデルもご自身で選ばれているとのことですが、基準などはありますか?服部さんが被写体として惹かれる人や、着こなしについて教えてください。
「明確な基準はありません。Droptokyoはそれぞれのフォトグラファーに独自の判断基準があります。私の場合は本当にファッションを好きで楽しんでいるかとか、その人がどういう活動をしているかなど色んな角度から見ていることが多いです」
コロナ禍で、ものの見方やご自身のクリエーションに変化はありましたか?
「たくさんの人と関わるというよりかは、大切な人とどれだけ濃い時間を過ごせるかという考えに変わりました。それはコロナ禍でなくても大切なことなので気付けてよかったです」
これからやってみたいことは?(キャリアでも、プライベートでも)
「撮影でもプライベートでも必要な車を買いたいです。あと愛する人が欲しいです(笑)」
最後に、今回の着用アイテムについて教えてください。
「RAF SIMONSもCHARLES JEFFREY LOVERBOYも強い男性像を打ち出しているブランドだと思います。私の目は一般的な男性像から飛び越えて新たな男性像を提示しているブランドはとても魅力的にうつります。あと東京に住んでいる人のファッションはみんな同じような色の服を着ているのでつまらないと普段から感じています。カラーリングはいつも意識しています。ハッピーだったらハッピーな色の服を着ればいいんです」