ここ数年、ファッション業界でもよく耳にするようになった“サステナビリティ=持続可能性” という言葉。人や環境に配慮した素材を使ったアイテムや過去に発売されたアイテムを受け継いで使う、または永く愛用するなど、”サステナブルなファッション”への取り組みや意識が高まっている。FARFETCHが打ち出す「プレオウンド」もその一つ。今回は、FARFETCHのプライベートクライアントスタイリストNanaさんに「プレオウンド」の楽しみ方について聞いた。
── 最近はファッション業界でもサステナビリティ(持続可能性)という言葉を聞く機会が増えましたね。
はい。ファッションはCO2の排出量が全業界の10%を占めており、世界で第2位の環境汚染産業と言われています。ここ数年の間に環境問題への意識が高まり、サステナブルに取り組むラグジュアリーブランドが急えてきました。消費者である私たちはまず問題について深く知り、自分がどのようなアクションを起こすべきか考えることが大切です。
── FARFETCHでは環境問題に対してどのような取り組みをしていますか?
FARFETCHは、ファッションブランドの倫理と持続可能性を評価する世界的機関「Good On You」 と連携し、サステナブルと判定された商品には「Positively Conscious」「エシカルコンシャス」のラベルを明示しています。2010年からは「プレオウンド」というカテゴリーで古着やヴィンテージ品の取り扱いを開始、日本にはまだ未上陸ですが2019年からはユーザーからの買い取りや寄付の受け付けも行っています。
最近では、購入した衣料品が環境にどれだけの影響を及ぼすかを示す「フットプリント計算ツール」の提供を始めました。ユーザーは商品を購入する前にこのページを訪れることで、環境負荷が少なく長持ちする素材に関するデータを確認することができます。また、中古品を購入することによるCO2や水、廃棄物の低減効果についても知ることができます。
中古品を購入して循環型経済に貢献
── 環境問題を考える上で、中古品を購入することのメリットは何でしょうか?
ファッション業界における大量廃棄は以前より問題視されてきました。世界で毎年生み出される衣料品のうち、半分以上が一度も着られないまま膨大なCO2を排出して廃棄されています。中古品を購入することは、こういった無駄を減らし、資源を有効利用することにつながります。例えば、古着を1着購入すると廃棄物を平均1kg、使用する水の量を3040リットル、CO2排出量を22kg減らすことができます。プレオウンド品を大切に受け継いでいくことで、環境型経済に貢献することができます。
── FARFETCHの「プレオウンド」について詳しく教えてください。
プレオウンド商品とは、ヴィンテージ品など、過去に所有履歴がある商品のこと。希少価値の高いタイムレスな商品であることから、FARFETCHではその品質、精度、真偽性を保証するための厳しい審査にかけ、基準をクリアしたものだけを販売しています。基本的には年数で区切られていますが、ブランドや特定のデザイナーのデビューコレクションやラストコレクション、ランウェイで注目を集めたアイテムは10年前のアイテムも含まれることも。
── Nanaさんが初めて購入されたプレオウンド品はなんですか?
私が人生で初めて購入したプレオウンド品は、自分の“生まれ年”に発売されたシャネルバッグでした。アメリカで暮らしていた23歳の時に出会い、頑張って節約して購入しました。それ以降、そのバッグは私にとって特別な存在であり、これからも一緒に歳をとっていくことが一つの楽しみになっています。プレオウンドのアイテムには、新作にはない魅力があります。過去のデザインが今だからこそ新鮮に感じることもありますよね。
プレオウンド初心者はジュエリーから
──「プレオウンド」初心者におすすめのアイテムはありますか?
ジュエリーは普段のコーディネートのワンポイントとして取り入れやすいので、プレオウンド初心者の方におすすめです。 例えば、手持ちのツイードワンピースやコートの胸元にヴィンテージのブローチをつけてみるだけでもコーディネートに個性が出ます。レトロ感のあるスタイリングや、最新トレンドルックのアクセントとしてぜひ取り入れてみてください。
── FARFETCHの「プレオウンド」セクションでおすすめのブランドを教えてください。
FARFETCHのプレオウンドの中で一押しは、CHANEL(シャネル)です。エレガンスの象徴となったツイードジャケットから、ダブルCロゴが輝くクラシックなキルティングバッグ《Matelasse(マトラッセ)》まで、とにかく種類が豊富。なかなか手に入りにくい過去のシーズンを代表するデザイン性の高いアイテムもFarfetchなら見つかるかもしれません。
永遠の憧れ、Hermes(エルメス)も見逃せません。FARFETCHのエルメスコレクションには、タイムレスな名品から、シルクのスカーフ、レディトゥウェアまで幅広くラインナップしています。Hermès(エルメス)のCEOだったJean-Louis Dumas(ジャン・ルイ・デュマ)と女優のJane Birkin(ジェーン・バーキン)の機上での出逢いによって生まれた有名なハンドバッグ《バーキン》や、1965年にモナコ王妃グレース・ケリーが持っていたことで一躍有名になった《Kelly(ケリー)》も様々なサイズ・カラー・素材を取り揃えいています。
韓国人デザイナーのJung-sun Lee(ジュンスン・リー)が手掛けるブランドTiger in The Rain (タイガーインザレイン) も要チェックです。Chanel(シャネル)やHermes(エルメス)、Burberry(バーバーリー)といったラグジュアリーブランドのプレオウンドアイテムに、モダンなデザインツイストを加えることで永遠の定番アイテムをアップデートさせ、新たな魅力を引き出しているユニークなブランド。まわりと差がつく個性的なアイテムをお探しの方は必見です。
ファーフェッチ プライベート クライアントとは?
ファーフェッチのロイヤルティプログラム「FARFETCH Access」の最上位、プライベートクライアントのお客様専属パーソナルスタイリスト。最旬トレンドアイテムのご紹介だけではなく、サイト内に掲載のないブランドのアイテムの検索まで、忙しいお客様のお買い物のお手伝いをしています。
Illustration by nanamy