NINA RICCI(ニナ・リッチ)は、フランスのラグジュアリーブランド。時に妖精のようにロマンティック、時に女神のようにゴージャスなデザインは多くの女性の心をつかみ、1932年のオートクチュールメゾン創業当初から現代に至るまで、華やかなアイテムをデザインし続けている。今回は、そんなNINA RICCIのブランドヒストリーと、美しい新作アイテムの数々をご紹介。
NINA RICCIの歴史についておさらい
NINA RICCIの創業者であるマリア・ニエリはイタリアのトリノ出身。幼い頃から人形の服作りが大好きな少女は、そのパッションを大切に育てながらデザイナーへの階段を登る。パリにオープンした自身のメゾンでは、デッサンを行わない独自の服作りが話題となり、“布を使った彫刻家”と呼ばれていた。
女性のボディラインをより美しく引き立てる曲線やエレガントなドレープは上流顧客を魅了し続け、ニナリッチは女優やセレブリティからも愛されるブランドとして広く知られるようになった。
1948年、ニナリッチは『レール・デュ・タン(時代の空気)」と名付けられた香水をリリース。鳥があしらわれた美しいボトルの香水は、スパイシーフローラルの芳香で、世界的に大ヒットを記録。日本でも若い女性を中心に人気を獲得し、NINA RICCIの名前が世間に浸透した。
現在のNINA RICCIは、2018年から新クリエイティブディレクターに就任したルシェミー・ボッタ―とリジー・ヘレブラーにより、フェミニンながらも現代的でエッジーなコレクションを展開。2人はメンズウェアブランドBOTTER(ボッター)も手掛けており、「イエール国際モード&写真フェスティバル(Hyeres International Festival of Fashion and Photography)」ではグランプリを受賞した注目の若手デザイナーデュオだ。
NINA RICCIの新作アイテムをチェック
#01 軽やかに揺れる、ロマンティックなレディトゥウェア
2019年秋冬コレクションでデビューしたクリエイティブディレクターのルシェミー・ボッタ―とリジー・ヘレブラー。セカンドシーズンとなる2020年春夏コレクションでは、2人の子ども時代の遊び場だったビーチをテーマにポップで遊び心溢れるワードローブを提案した。
新作のウィメンズウェアは、流れるようなAラインのトップスやスカート、ワンピースが目白押し。立体的なショルダーラインが印象的なパフショルダートップスは、ランウェイでもモデルが着用していたアイテムだ。フェミニンながらも少女のような茶目っ気のあるデザインが今季のNINA RICCIらしい。ペンシルスカートやスキニーデニムなどすっきりとしたシルエットのボトムスと好相性。
花冠から着想を得たフローラルスカートは、歩くたびにふんわりと揺れるロマンチックな一着。彫刻のように立体的なフォルムが個性的。爽やかな夏のスタイリングの主役に。
#02 チューイングガムのように甘いピンク
NINA RICCIの2020年春夏コレクションのキーカラーは、チューイングガムを彷彿させるピンク。パリで開催されたランウェイ会場でも ”Ninalicious(ニナリシャス)”と書かれた3本入りのチューイングガムがゲストに用意された。Ninaliciousとは、風船ガムブランドのBubblicious(バブリシャス)とブランド名のNINA RICCIを掛け合わせた造語。デザイナー2人の幼少期の思い出を遊び心たっぷりに表現した。
今季は、フェミニンなピンクをコーディネートに取り入れてみよう。春夏コレクションで登場したルックのように、ブラックのアイテムを投入すると甘すぎずモードに決まる。
#03 バケツ型のハット&バッグ
NINA RICCIの2020年春夏コレクションで最も注目したいのは、砂遊び用のバケツをひっくり返したかのようなユニークなシルエットのバケットハットとバッグ。インパクト大なアイテムだけに難易度が高そうに見えるが、Farfetchではすでにソールドアウトが続出している。お洒落上級者たちはユーモラスなNINA RICCIの小物に夢中のようだ。
#03 風船ガムをイメージしたプレイフルなイヤリング
NINA RICCIの2020年春夏コレクションでモデルたちの耳にぶら下がっていたラウンド型のイヤリングは、膨らんだ風船ガムから着想を得て生まれたという。カラフルでポップなイヤリングはコーディネートに楽しげな雰囲気をプラスしてくれる。
コーディネートに一点投入するだけでポップでプレイフルなムードを作り出してくれるNINA RICCIの新作アイテムたち。コロナ禍で沈みがちな日常をパッと明るく彩ってくれる。
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