
MY WORLD / Jack Harries
フィルムメーカーやアクティビストとしての活動のほか、WWFのアンバサダーも務めるJack Harries(ジャック・ハリーズ)。子どもの頃、動物・環境保護団体について調べたのをきっかけに自然に興味を持つようになったという彼は、現在ドキュメンタリー映画を制作している真っ最中だという。「このシリーズは、さまざまな環境問題についての人々の意識を変えることに大きく貢献すると思う。内容はもちろん、映像も本当に素晴らしいんだ」。今回はそんな彼に、活動内容や作品、そしてエココンシャスな今季のファッションについて聞いた。
撮影:Benedict Brink、スタイリング:Mark Vassallo

「地球温暖化は、多くの人にとって実体のない、遠い存在だから実感しにくいんだと思う。僕自身の意識が大きく変わったのも、2015年のある出来事がきっかけだった」
「WWFチームと一緒に、世界で最も速いペースで後退が進んでいる、グリーンランドのヤコブハンセン氷河に行ったときのこと。その夜は氷河の近くにテントを張ったんだけど、大きな氷塊が海中に落下する音があまりにもうるさくて、一睡もできなかった。気候変動を目の当たりにできる場所を訪れたことで、それを切実な問題として現実的に捉えられるようになったんだ」
着用アイテム:Bodeのジャケット、GmbHのTシャツ、Citizens of Humanityのジーンズ、John Hardyのブレスレット

「WWFのアンバサダーであることは、僕にとって大きな誇りだよ。最近ではケニアに行って、動物学者のDavid Attenborough(デビッド・アッテンボロー)がナレーターを務める新しいドキュメンタリーを、WWFと一緒に撮影したんだ」
「この映画は、環境問題についての世の中の意識を変えることに大きく貢献すると思う。気候変動が動物やその他の生態系に与える影響について、十分に考えられているとはとても思えないんだ。かつて炭鉱で毒ガス検知機として使われていたカナリアじゃないけど、今まさに生態系に起っていることをこの作品で目の当たりにすれば、このまま何もしなければどうなるか、っていうイメージが湧くんじゃないかな」
着用アイテム:Zilverのセーター&パンツ、John Hardyのブレスレット

「でも、救いはたくさんある。特に16歳の環境活動家、Greta Thunberg(グレタ・トゥーンベリ)を中心とした若い世代の運動は素晴らしいし、僕自身もポジティブな気分になれるんだ」
「数週間前、政府に気候変動への対策を求めて、150万人の若者がロンドンでデモをしたんだ。僕たちが自分自身の生活を見直すことも大切だけど、政治家が自らのアクションに対して責任を持つことも必要だと思う。《Extinction Rebellion》は、クリエイティブで非暴力な運動によって地球温暖化への認識を高めるために、7ヵ月前に結成された団体。気候変動は、人類の存続を左右する大きな問題だから、みんな政治に関心を持ったほうがいいと思う」
着用アイテム:lemlemのパーカー、Maison Martin Margiela Vintageのパンツ(提供:A.N.G.E.L.O. Vintage)、John Hardyのジュエリー
「服を買うときも、環境問題を意識するようにしているよ。ファストファッションを避けたり、なるべく数を増やさないようにしたり、古着を買ったり」
「ロンドンとその周辺にはクールなヴィンテージショップがたくさんあるし、国外に旅したときもそういう店を回るようにしている。サステナブルファッションは新しいブームになってるから、自分が買う服についても意識しやすくなってくると思う」
着用アイテム:By Walidのジャケット、Maison Martin Margiela Vintageのパンツ(提供:A.N.G.E.L.O. Vintage)