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MILAN VUKMIROVICが語る今季の『PORTS 1961』

 

テキスト:Hollie Moat、日本語テキスト:Mitsuko Volek、撮影:Hasse Nielsen、スタイリング:Tony Cook

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Charlie: シャツ & パンツ; (すべてPorts 1961)

ミラノを拠点とする『Ports 1961(ポーツ1961)』は、デザイナーの名前を冠することなく50年にわたって確実にファンを獲得し、メンズウェア界の最先端を走り続けているブランドだ。その魅力の秘密とは?

ウルトラモダンでスポーティなシルエットに、豊かな歴史的・文化的な要素を織り交ぜたクリエーションを発信しているMilan Vukmirovic(ミラン・ヴィクミロビッチ)は、間違いなくその立役者の一人だ。そして彼の才能は、このカナダ生まれのブランドのメンズウェアデザイナーという肩書きだけには収まりきらない。ブランドのキャンペーンモデルをこなすかたわら、伝説的なパリのコンセプトストア「Colette(コレット)」を共同設立し、フォトグラファーとしてTrussardiやArmaniの広告を手がけ、一流ファッション誌「L’Officiel Hommes」の元編集長を務めるなど、ほかにも幅広い分野で活躍しているからだ。最近では雑誌「Fashion For Men」を自ら発刊し、インスタグラムやストリートスナップでも大人気の彼は、名実ともにファッション界のスーパースターといえるだろう。


今回、この多才なクリエイターのインタビューに成功したFarfetchは、その輝かしいキャリアやデザイン哲学、ロマンティックな感性が光る2017年春夏コレクションについて話を聞いた。

 

まず、最新のコレクションについて教えてください。2017年春夏シーズンのインスピレーション源は?

 

Milan Vukmirovic: 「このコレクションの制作を始めたのは、2016年の上旬。パリのテロ攻撃があったばかりの大変な年で、フランス人である私は深く心を痛めました。そして、たかが洋服だとか、結局はビジネスだとか言われたとしても、憎しみを原動力とする発言や行動、テロリズムに断固として反対する姿勢を、自分なりの方法で主張したいと思ったのです。恐怖や猜疑心が渦巻く中、人々を結束できるのは愛しかありません。これが今回のコレクションで表現したかったことであり、私にとっても今の世の中にとっても本当に大切なことだと思います」

 

ミリタリーテイストが色濃く見られるラインナップでしたが、その背景は?

「ミリタリーアイテムには昔から強い影響を受けています。その歴史は驚くほど豊かで、時代や国、アイテムの種類によって、いろんなデザインがあるんです。今シーズンは、このマスキュリンなアイテムを、フラワーモチーフやラッフルを使って、もっとやさしく、ロマンティックなムードに仕上げることを目指しました。だから、アグレッシブな印象はまったくないと思います。先ほども言ったように、制作時はそんな心境ではありませんでしたから」

 

スポーツウェアのデザインで有名ですが、今回のコレクションは新境地となりましたか?

 

「スポーツウェアは大好きですが、テーマやアイデアを一つだけに絞るのは好きではないし、それは自分が着るものについても同じです。ファッションは私にとって音楽のような存在。今日はきちんとしたいとか、クラシックにまとめたいとか、スポーツウェアで軽快に出かけたいとか、朝起きた時の気分でいろいろ違うんです。今季のランウェイでは、ロマンティックなミリタリールックがメインでしたが、やはりスポーツウェアも取り入れたかったので、ボクシングギアブランドのEverlastともコラボしました。毎日運動をする私にとってスポーツウェアは身近な存在だし、スポーティなアイテムを織り交ぜたほうがコレクションとしても面白くなると思ったからです。それに、そんなミックススタイルのほうが、現代の男性の装いにもマッチするのではないでしょうか」

 

 

Rio: ジャケット & &パンツ (いずれもPorts 1961)

 

今回のコレクションにも自身のスタイルが反映されていますか?

 

「はい、もちろんです。今シーズンのファッションアイコンは誰かとインタビューで聞かれることがあるのですが、私にとってはおかしな質問に思えます。そもそも、ヨーロッパに戻ることに乗り気ではなかった私が『Ports 1961』からのオファーを受けたのは、“Ports 1961が理想としているのは、ファッションへの愛情やアプローチ、着こなし、どれを取ってもあなたのような男性”という担当者の言葉があったから。彼らは、私の作品だけでなく、ストリートスナップに収められた私のプライベートファッションに興味を持ってくれたそうです。また、自らをミューズにすることで、仕事に対して真摯に取り組めるようになります。デザイナーの中には、ほかの誰かをイメージして自分では絶対に着ないような服を作る人もいますが、私は洋服やファッションを心から愛しているので、自分で作る服はどれも自分で着たいのです。自分のスタイルをイメージしてデザインをするのは、そのスタイルが好きだから。この思いが、すべてのコレクションの出発点になっています」

 

 

(左より) Rio: セーターショートパンツ; Charlie: シャツ & パンツ; (すべてPorts 1961)

 

Ports 1961が進化を続けられるのは、自身のスタイルも進化しているからだと思いますか?

 

「その通りだと思います。ファッションはこれまでにない速さで変化していて、人々の興味が薄れるスピードも速くなっています。これまでの法則が通用しなくなり、SNSの普及や最近のブランドの増加などによって、ルールが存在しなくなっていると言えるでしょう。長い間、ファッションは一定のルールに従って作られてきました。スタイルや髪型、モデル、理想もすべて一つだけ。でも、それだと今の世の中には合わないんです。私が今もこの世界で走り続けていられるとしたら、それは私自身が進化し、変わり続けているからかもしれません。過去はめったに振り返らないし、少なくとも変化を受け入れる心構えはあると思います。今日嫌いだったものが、明日は好きになるかもしれない。“昔のほうが良かった”とか“これは全然好きじゃない”などと言って視野を狭めることなく、自分でも驚くような変化を受け入れていくオープンな姿勢が大切だと思います」

 

 

ファッション界では求められるコレクションの数が大幅に増え、新たなグローバル市場も出現しています。こういった動きの影響は?

「ファッションの世界に入ってからの25年間で、こんなに混乱した時代を見たことはありません。イブニングウェアとスポーツウェア、メンズとレディース、フェミニンとマスキュリン、冬と夏など、あらゆる要素がごちゃ混ぜになっている感じです。シーズンの定義を含め、何もかもが変わってきていますが、言い換えれば境界線が少なくなり、可能性が無限に広がっているということでもあるので、個人的にはとても面白いと思っています。ただ、クリエイターとして仕事をする上では、難しい時代になってきたことは確か。たとえば、ニューヨークやヨーロッパ諸国の気候に合わせて冬に暖かい服を作りすぎると、温暖なアジア市場には合わなくなる。だから今は、どのコレクションにも生地の薄い服と厚い服を両方取り入れる必要があります。半年に1回コレクションを発表するというシステムはいずれなくなり、2か月ごとにカプセルコレクションを出す時代がやってくるのではないでしょうか」

 

「ファッションはこれまでにない速さで変化していて、ルールが存在しなくなってきています。私が今もこの世界で走り続けていられるとしたら、私自身が進化し、変わり続けているからではないでしょうか。基本的に過去は振り返らないタイプなんです」

 

(左より) Charlie: パーカー & パンツ; Rio: シャツ & パンツ; (すべてPorts 1961)

 

ファッションの世界で幅広く活動しているあなたは、とても革新的な存在だと思うのですが。

 

「若い頃からデザインの仕事をしたいと思っていたし、今でも本職はデザイナーです。でも、Colette Rousseaux(コレット・ルッソー)と会ってコンセプトショップを一緒にやろうという話になったり、出版社から『L’Officiel Hommes』の復刊にあたって協力を依頼されたりなど、自然な成り行きでこうなりました。この雑誌では、私がプライベートで撮った写真が気に入られて、編集長だけでなくカメラマンもやることになったんです。そんな自らの体験を踏まえて、私はいつも“新しいことへの挑戦を恐れるな。特にファッションの世界では、違う畑を経験すればいろんなことが見えてくる”と言っています。別の職種を経験したことで、この業界、そしてこの業界が進んでいる方向についての理解が深まりました。もし私が革新的だとすれば、立ち止まったり過去を振り返ったりせず、常に前進しながら新しいことに挑戦しているだけのことだと思います』

 

「自分の個性を殺してしまうような服を買わないようにしましょう。その人が自信に満ち溢れて見えるのは、ファッションをエフォートレスに着こなしている時。全体の印象を決めるのは、結局その人の身のこなしやコーディネートなのです」

 

Rio: ニットベスト, パンツ, いずれもPorts 1961)

 

リテーラーやバイヤーとしての経験が、デザイナーとしての仕事に役立っているということでしょうか。

 

「すごく役立っています。私は今、雑誌の発刊も手がけているので、その経験から得るものも大きいですね。人々の興味を惹きつける魅力的な雑誌を作るには、ごく一部の人たちしか買わないようなエッジーなアイテムの存在が欠かせません。その一方、リテーラーとしては、デニムやスウェットシャツなどの売れ筋アイテムを中心とした仕入れが求められます。そしてデザイナーとしてコレクションを発表するなら、パワフルなデザインでブランドイメージをはっきりと打ち出す必要がある。そしてこれに成功すれば、大衆市場を含むすべてのビジネスにとってプラスになるのです」

 

(左より) Charlie: パーカー & パンツ; Rio: シャツ & パンツ; (すべてPorts 1961)

 

Farfetchの読者にファッションアドバイスをお願いします。

 

「自分の個性を殺してしまうような服を買わないこと。過去には、ロゴ入りのアイテムや、特定のブランドの服やバッグを身につけることが求められた時代がありました。でも、全身をハイブランドで固めたり、ロゴ入りの服やバッグをたくさん持って、自分らしさを消してしまわないほうがいいと思います。その人が自信に満ち溢れ、セクシーに見えるのは、ファッションをエフォートレスに着こなしている時。自分の体型や、自分にとって快適な服を知ることも大切です。そうすれば自然に、テーラーメードのスーツと同じくらい、スウェットパンツをスタイリッシュに履きこなせるようになります。全体の印象を決めるのは、結局その人の身のこなしやコーディネートです。だから、流行っているからといった理由でブランドを撰んだりせずに、本当に自分に似合う服を見極めるようにしましょう」

 

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